最終話 旅の最終目的地

「ついにここまでたどり着きました!」


「ホンマに竜王や……」


「そうね。アタシたち、今、竜王を目の当たりにしているのよね」


 座標にすると、35.6687627, 138.519248。


 こここそ、旅の目的地である。山梨県甲斐市竜王新町。そしてその名は竜王駅!


「ふははは。よく来たな、歓迎してやろう」


 竜王駅前には偉そうに、腕を組みふんぞりかえっているサブロウの姿があった。


「サブロウ師匠発見! 身柄確保!」


「「了解!」」


「うわあ、おまえたち、なにをするだー!」


「うるさい! 人のことさんざん引きずり回して!」


「でも、面白かったろ? あのメッセージの意味は分かったのか?」


「もちろん。伊勢いせ市から始まって甲斐かい市まで来て伊勢甲斐いせかい旅行とは、よくもまあこんなくだらないこと考えたわね」


「しかも、いせかい旅行の終着駅が竜王だなんてラスボスみたいです! できすぎですよ! はい、お土産のシウマイ」


「おお、ありがとうな。そうだろ、そうだろ」


「特急『かいじ』に乗れば竜王駅にまで来れるからって、マンガの『カイジ』から最後のヒントのざわざわ、ざわざわ、やなんて、センセようそんなしょうもないことを」


「どうだ、恐れ入ったか!」


「「「はいはいはい」」」


「心がこもってないなあ」


「それより師匠、仕事はどうするんですか!」


「そうですよ!」


「もう間に合わへんのとちゃうか?」


「大丈夫だ! 実は今日からあさってまでの仕事予定はフェイクだ。この3日間は最初からバケーションにする予定だったのさ」


「「「ええ⁈」」」


「サプラーイズ! よくぞたどり着いた我が精鋭たちよ! 今日はここ竜王の素敵な温泉旅館で宿をとってある。今年1年お疲れ様だったな。2日ほど温泉に入ってのんびりゴロゴロして、頭と体を休めてゆっくりと英気を養おうじゃないか! みんなー! 温泉♨️旅館に行きたいかー!」


「「「おおおおーっ!」」」


「それではみなさんも」


「「「「良いお年を!」」」」



おしまい

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サブロウ・クエスト~いせかいへGO! めざせ、竜王の大地! 土岐三郎頼芸(ときさぶろうよりのり) @TokiYorinori

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