ウイルスが蔓延して、外出制限がかかった状況下。
小学生の太郎が、三角の形をした〝書き方鉛筆〟を拾ってから、不思議なことが次々と起こります。
天才発明家の上杉三成実、新米教師の北野大地のもとにも三角鉛筆が。光を放つ鉛筆は、学校に行けなくなった子どもたちや彼らのあいだを繋ぐ。
そんなファンタジーな展開から物語は始まります。
百年前へのタイムリープから、この町や学校がどうやって発展してきたかも明らかになります。
過去と現在が交差するなか、「これはここに繋がるんだ!」と驚かされることも。
ファンタジー、ミステリー、町づくりといった様々な角度から楽しめる物語です。
長編ですが、きちんと完結しているので安心してお読みください!
おそらくはコロナ禍をモデルにした流行り病により、休校した小学校の生徒たちの行動から始まる、不思議で牧歌的な現代ファンタジー。
自分達が学ぶ学校の秘密を、不思議な鉛筆を手に入れた事がきっかけで紐解いていくというストーリー構成は、どこかほのぼのとした空気と、幼い子供たちの頑張りを感じられる微笑ましいものを感じさせてくれます。
タイムリープという特殊な要素を持ちながら、それを自由研究のネタにするという危機感の無さが、逆に作品を安心して読み続けられます。
ちょっと田舎の雄大な自然の中にある学校、そんな空気につかりながら、すこしふしぎな経験を子供たちと共に楽しんでみませんか?