決して来ない時

麻生 凪さんの『決して来ない時』は、夢と現実が織りなす幻想的でありながら、どこか哀愁を帯びた物語やで。読み進めるうちに、まるで夢の中に迷い込んだような不思議な感覚に包まれるんよ。この作品の最大の魅力は、丁寧に描かれた情景描写と、登場人物たちの心情の機微や。特に、夕陽に染まる山道や一面の彼岸花が目に浮かぶような描写は、読む人を物語の世界に引き込む力を持っとる。

夢と現実が交錯する中で、記憶や時間にまつわるテーマが静かに問いかけられるんやけど、その問いには明確な答えが用意されてへんねん。せやけど、むしろそれが読者にとって心地よい余韻を残す仕掛けになってるんよ。「時間」「記憶」「夢」をキーワード…続きを読む

1話完結で素晴らしい重厚感のあるストーリーでした。