主人公の彩愛が箒を手にダンジョンを駆け回る姿は痛快

ダンジョン内の“清掃人”という意外な立場から始まる物語が魅力的です。一見地味に思える職業が、ダンジョンに潜む謎を解き明かすカギとなっている設定は斬新で、「こんな視点があったのか」と読んでいて新鮮な驚きを味わえます。
掃除道具を巧みに使ったバトルや知略戦が見どころ。さらに、ゴブリンやストーカーなどのモンスターとの戦闘だけでなく、上層・中層といった階層構造の世界観や、高価なエリクサーなどからうかがえる経済事情も物語に奥行きを与えています。陰謀に巻き込まれながらも、自分の仕事と誇りを全うしようとする彩愛の姿勢は痛快で、その“清掃人”としての矜持が今後どう活かされ、ダンジョンの闇を暴いていくのか――続きを読むのが楽しみになる作品です。