今わの際に現れるもの

企画への参加ありがとうございます。
光の大臣が、あやしいノスリの正体を見抜いたという原話を、正体を見抜かれたノスリの側から語り直すというアイロニーとユーモアに満ちた掌編。言葉の選び方と運び方が魅力的で、行を追うごとに世界が開かれていく文章は、まるで詩のようです。そして、臨終の間際に去来する「田舎の人」の思い出は、なんだかクソトビを浄土へまねく仏のようと思いました。