最終話 新しい道へ
今日はハルとの別れ日…
私は学校が終わり、急いで空港跡地に向かうとハルの体は少し透明になっていた。
「ハル!!」
「あ、瑠奈!見てみてー!体透けてる〜笑」
「笑い事じゃないんだけど?笑」
「ごめんって!笑あ、そうだ。瑠奈これ」
「…なに?」
ハルは服のポケットから一つの紙を渡してきた。
「これ、私がいなくなったあと見てみて!」
「…え、」
「大丈夫だよ!爆弾とか仕掛けてないから笑」
「そーゆう心配してるんじゃない笑」
そんないつものような冗談交じりで話しているとハルが私の手を握り、私の額にハルの額をくっつけながら話す。
「ウチ、瑠奈が友達で良かった…」
「私もだよ…」
二人して涙を流しながら笑いあっているとハルの体がキラキラと星が降るように舞っていく。
「離れていても、近くにいるからね」
「うん…!」
そして、ハルの姿は消え私はハルから貰った手紙を読む。
「瑠奈へ。まず、私を見つけてくれてありがとう!ウチは瑠奈と出会えて天界にいた時よりもずっと楽しかったよ!瑠奈は、これから先ぜっったいに!周りに恵まれるから大丈夫。だって、私がついてるんだよ?笑 だから、話せることは話なね。ハルより」
「……ありがとう。」
私はハルから貰った手紙を握りしめながら溢れる涙を止めなかった……、本当にありがとう。ハル、
★★★★★★
私はハルから貰った手紙を大事に持って家に帰る。
「ただいま…」
「おかえりなさい」
珍しくお母さんがいて私は目を丸くするが、ハルがいなくなった今。私はハルに言われたことを話してみようと思った。
「お母さん、話あるんだけど。今いい?」
「どうしたの?」
「実は……」
そこから、今までの学校のことや家のこと。
思っていたことをすべて吐き出した。
お母さんは涙を流しながら「気づかなくてごめんなさい」といい、私を抱きしめてくれた。
私はその嬉しさで思わず泣いてしまい、二人して涙で顔がぐちゃぐちゃだった。そんな時お母さんの一言に私は驚いた。
「瑠奈、転校しよっか」
「え、?」
「実はね、仕事先が都会の方になって単身赴任か悩んでたんだけど。瑠奈が辛いなら一緒に行こうって思ったの。だって、大事な一人娘だもの」
お母さんはふわりと笑い、私の目をじっと見て言う。
「もう、学校には未練は無い?」
「うん、大丈夫」
「なら、お母さんと一緒に引っ越しましょ!」
「うん!」
お母さんはその日から私との時間を増やしてくれた。
★★★★★★
そこから月日が経ち……
新しい学校で私は高校生になった。
地元から離れ、今は都会の学校に通っている。
「瑠奈〜!今日この後どうする?」
「カラオケ行きたい!」
「いいね!よし。レッツラゴー!」
「おおー!笑」
ふざけ合える友達もできて私は幸せだった。
ハル、私の景色見えてる?私。お母さんに話せてよかったって思うよ…、これも全部ハルのおかげだよ。本当にありがとう。ハルにまた、もう一度出逢えたなら…私はハルとたくさんの景色を見たいって思うよ
私は空を見上げながら心の中でそっとつぶやく。
「瑠奈〜!はやくはやく!」
「ちょっと待ってって、!笑」
快晴のなか、瑠奈のカバンに着けているお守りが淡く光ったことは瑠奈は知らない…
また、もう一度きみに逢えたなら 春風笑 @Halukaze_Emi
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