第4話 月日は流れ
ハルと出会って半年が経った。
平日は学校終わりに、休日は早く起きて話に…
そんな日々を続いて行くうち、
私は分かったことがある。
ハルは私の話を聞いてくれるばかりで、自分のことを話さない。聞いても上手くはぐらかされてしまい、結局私の話になってしまってる。
だから、今日こそハルの話を聞こうと思う!
「ハル、私の話もいいけど。私はハルの話が聞きたい」
「え、ウチの話?……面白くないから瑠奈の話しよーよ!」
「そうやってはぐらかさないでよ。ハルが最初ここで大の字に寝てたのも、私を必要としてたのも、今まで話を聞いてくれたのも、なんでか知りたいの!」
「………そっかぁ。ならいいよ」
「ほんと?」
「うん、けど。いい話じゃないからね?」
「わかった」
★★★★★★
「ハルってアリーシェ様の子なのに今ひとつパッとしないわよね」
「アリーシェ様が慈悲で天界に居させてくれてるのよ」
「あら、そうだったの。ごめんなさいね?笑」
神の子ども達はみんな金髪碧眼で美しい容姿をしている。だけど、ウチは白髪で水色の瞳。そんなウチを産んでくれたアリーシェ様はこの世界の女神だ。
実の娘であるウチは昔から容姿のせいで周りからいじめられは暴言を吐かれていた。
最初は辛かったが慣れてきてしまえばラクだった。
そして、私が14歳になった時。
アリーシェ様から呼び出された、
「ハル。あなたは天界から降りなさい」
「……え、」
降りる…って、神の子どもからしたら死ぬも同然じゃない!!……なんで、なんで!?
「アリーシェ様。どうしてわたくしは降りなきゃならないのですか…、わたくしの容姿が、天界にいてはならないからですか?」
「ハル。それは違うわ」
「え、?」
「神の子どもからしたら天界を降りるのは死も同然。だけど、ハルだけは違う形で降ろすのよ」
「……どーゆう意味ですか?」
「私は母として、このままあなたが天界にいたら辛いと思うの。だから、天界から降ろし人間界に行かせるのよ」
「お母さま……、」
初めて母として心配してくれて、私は今まで感じたことない感情を感じた。胸の奥が温まるような…そんな感情でいっぱいになり、涙が溢れてしまう
「ハル…、あなただけ。一年間のあいだに守護する人を見つけたら、その人が見える景色が見えるようにするわ。だだし、それはハルに合った人にしか見えないの。だから、それを乗り越えて見せて?そしたら、ハルはきっと楽しい生活を送れるわ」
「お母さま……、」
私は溜め込んでいた涙と思い、そしてお母さまからの優しさで今まで以上に泣いてしまった。
そして、私が天界を降りる日になると
お母さまは笑顔で「ハルなら大丈夫よ」
といい、その場から消えた。
★★★★★★
「…てことが、今までの流れ。あそこで大の字で寝てたのはなかなか見つからなくてふて寝してただけよ笑」
ハルはそう言って何事も無かったかのように笑ってみせる。だけど、私はそうじゃなかった…色々な感情がふつふつ湧き上がるが、喉に引っかかって声がでなかった。
「もぉ、ほんとに平気なのに。瑠奈は泣き虫だね」
ハルはそう言って私の涙を指で拭う。
「私は、瑠奈に守護するから。その時が来たら瑠奈は私に景色を見せて?」
ハルは「ね?」と優しい笑顔で私に言う。
私はその優しさで涙が止まらなくなったら、ハルはもっと笑いながらも「ありがとう」と、今まで見たことない笑顔をしていた。
「それじゃ、瑠奈が持ってきたご飯でも食べよ!」
「…うん!」
私は残りの短い期間、ハルとの思い出をたくさん作ろうと思った。
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