第3話 ハルの思い


「クラスメイトに無視されて、仲良かった友だちには避けられ、家では親が忙しくてなかなか話せなくてさ…、そんな日々が続いて。ついさっき幼い時ここで遊んだの思い出して学校の帰り道によってみたんだよね。そしたらハルがいたってわけ笑」



初めてこの話を誰かにした。

私は不安でハルの顔を見ると、

なぜか眉間に皺を寄せ頬を膨らませていた。



「ハル…?」

「そんなの…そんなのひどすぎるよ!!」

「え、」



ハルが突然話し出すかと思えば怒り口調で次々と文句を言い始める。



「だってさ!理由も分からないのに避けるとか意味わかんなくない??それに、瑠奈を避けるなんて友だちとして失格でしょ!!そんな人、瑠奈にはあってない!!瑠奈には必ず自分と同じ土俵に立てる人と仲良くなれるよ!!!」



ハルは私の手を握りながらそう言ってくれた。



「……私は大丈夫だよ」

「大丈夫じゃない人ほど大丈夫って言うの!」

「いや……、本当に気にしてないからさ?」

「気にしてないって言うほど気にしてるんだよ!」

「………、」



なんでこの子は初めて会ったのにここまでしてくれるのだろう…、なんだか。泣きそうになる…



「泣ける時に泣いてもいいんだよ」

「え…、」

「だって瑠奈、今泣いてるもん」

「!?」



気づかなかった、常に笑顔でいて周りに悟らせないようにしてたのに。なんでハルの前では泣けるの…



「相当我慢してたんだね、よく頑張ったよ」



ハルはそう言って私を抱きしめた。

ハルの体温は少し低く、だけど暖かい…

私は初めて誰かの腕の中で泣いた。

ハルはその間私の背をポンポンと叩いてくれた。





★★★★★★





そして、落ち着いてきた時。私はハルから離れる



「ハル、ありがと。」

「よかった、最初にあった時より元気になった!」

「え、そんなに顔に出てた?」

「どうだろ?ウチだからわかったのかも!」



ハルはそう言ってイタズラな笑顔をして笑った。その優しさに、私はどれほど救われたのだろう…、

この子が助けて欲しいって言ってたこと、

なるべく助けてあげよう。



私は心の中でそう決意して、

許す限りの時間まで二人で話し合った。


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