電気の紐とボクシング

　ある日、学校に登校すると、どこからともなく不気味な笑い声が聞こえてきた。その笑い声と、俺に向けられる冷たい視線を感じて、すぐに確信した。俺のことを、みんなが笑っている。理由はすぐにわかった。

　それは、姉が俺の恥ずかしい姿を晒したせいだった。俺が家で「電気の紐」と戦っているところを、姉が撮影し、それを拡散したはずだ。何の前触れもなく、俺は学校中で笑い者になり、みんなにその醜態を晒されていた。

　怒りと屈辱に駆られた俺は、姉に復讐を誓う。俺は決意した強い心を持って、姉に仕返ししてやると。

　復讐心から再び始まった、姉と弟の関係。
　最終的に俺たちは、思いがけない形で和解を果たすことになるのだった。