ゆっくりとシャッターを下ろすようなトキメキ
- ★★★ Excellent!!!
瞼を下ろす。シャッターを下ろす。
見たい、残したい映像を切り取る。この二つの動き。見たことがない、考えられないものはいくら瞼を下ろそうが収めることはできない。写真に映せないものがあるのなら、瞼にだって映せないものが、きっとあるのだと思う。
「砂川」は好意を寄せる同じクラスの「笹原くん」に、一緒に帰ろうと誘われる夢を見る。時刻は21時。もう一度寝ることで夢の続きを見ようとするが、どうにも寝つけない。そんな中、クラスの人気物からトークグループにあるメッセージが届くのだが……。
笹原くんのことが気になり始めたきっかけや、多大な勇気に対する、望む成果の小ささなど。初々しいあの頃の気持ちを、軽快な物語のテンポ感と、主人公の少し消極的な心理描写によって、魅力的に表現されていました。
一つ一つの動作に対する細かなときめきと共にお楽しみ下さい。
素晴らしい作品をありがとうございました。