真実は、フィルターに隠された先にある

 謎が謎を呼ぶストーリーです。

 照魔機関。妖怪や神のような存在が絡む怪異な事件が起こると、彼らが出動して調査・対処を行う。
 捜査機関に属する神無四辻(かんな・よつじ)と、同じ捜査官の日暮逢(ひぐらし・あい)。
 四辻たちは、ある地方で起こった事件の捜査のために動き出す。
 
 そうした物語が語られて行く途中で、『ある文書』の内容が紐解かれて行くことになります。
 その文書の多くはフィルターがかけられていて、一般の人間には閲覧することは不可能。
 しかし、そこには他ならぬ四辻にまつわることも記されていることがわかる。


 調査対象である怪異の謎だけでなく、主人公サイドにある照魔機関や、主人公である四辻にも多くの謎が隠されていることが次第に見えてきます。
 いわゆる『メン・イン・ブラック』のように、一般人に不都合な真実が漏れないように記憶を消す術まで確保している彼ら。そして、『おみとし様』と呼ばれる存在の意思によって動かされていることもわかる。

 どことなく、『新世紀エヴァンゲリオン』の『特務機関NERV』のような、裏に色々と抱えていそうな感じが漂ってきます。謎の文書を紐解き終えた先には、一体どんな真実が出てくるのか。そして、四辻や逢にはどんな背景があり、そもそも彼らは何者なのか。

 多くの謎に触れながら進んでいくストーリー。とても読み応えがあり、目が離せません。