かえらない返事まで想像してしたためる恋文ほど透明で美しいものはない。

表題通り、宮沢先生へ向けてみかさんが送った恋文だと思います。

純粋な思慕と、やわらかなユーモアと、大人の女性の深みと軽やかさに満ちあふれています。

日々の疲れはありましょう。
生きる苦しみもありましょう。
ですが、宮沢先生の残された物語が善と純と哀、それから美を閉じ込めたものであるように、
物語というものは、人の心をありたい場所へ立ち返らせてくれる宝石の缶詰のようなものなのかも知れません。

そして、この手紙もまたそんな宝石の缶詰です。

あたたかい飲み物と、毛布にくるまりながら、ぜひ紐解いてみてください。

泣いちゃうけどね。

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