拝啓、宮沢賢治様

あまくに みか

前略 読者様

前略 読者様


 私は日頃、脳内で神的存在を召喚しています。



「え、なにいってんのコイツ」と思った読者の皆様、しばしお待ちください!



 脳内に推しを住まわせていたり、芸能人やギャルを脳内で召喚したことはありませんか?



 例えばくじけそうなことがあった時、脳内で熱血スポーツマンを召喚するのです。



「諦めんなよ、お前! もう少し頑張ってみろよ!」



 といった具合です。



 このエッセイは神的存在の一人である宮沢賢治先生を脳内に召喚し、書いてきた手紙を読み聞かせるという謎エッセイです。



 先生は、しゃべったりしません。

 お返事をくれることもありません。

 ただそこにいて、耳をかたむけてくれるのです。



 私の想像の中の先生像であるため、当然のことながら実際の先生とはかけはなれた存在であることを読者のみなさまには、ご留意いただきたいと思います。


                  草々

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