第3話
伏せながら、島月勇は泣いていた。テーブルが濡れている。テーブルを伝い、茶色い涙が腕に流れてきた。それでも島月は泣いた。
「どうかしましたか?」——その声が来るのを待った。その声が来るまで、何秒でも待つつもりだった。時計の音が頭に響いた。いつ聞いた音だろう。今も褪せていない音だった。どちらかといえば不快に近い音だ。
チク、タク——6秒、7秒、8秒。いや、さっきまで数えていなかったから、もう二、三十秒か——
突っ伏していると、天から声が響いた。どうかしましたか? という声ではなく、「ご注文はいかがなさいますか?」という声だった。
APARTMENT LOVESTORY ~これがアパート公式で親友になった結果だ!~ 沼津平成 @Numadu-StickmanNovel
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