不気味さいっぱい溢れます! ラスト一行から、もうとめどなく!

 またすごい、「おおう!」となる作品に出会えてしまいました。

 ラストのインパクトが強烈でした。

 本作は『二人称』で構成され、『君』という主人公(または読者?)に対して、何者かが語りかけてくるようになっています。
 『天才』と『凡人』を分けるのは何かという、カクヨムユーザーなら一度は気にしたことのある議題について論が説かれて行きます。その内容そのものも「なるほど」と思わされるものがあり、自然と心を奪われます。


 ……しかし、そこはあくまでもお膳立てに過ぎなかった。

 とにかくラストの一行(それと直前の二~三行)。そこが凄かったです。タイトルの『どうか気にしないでくれ』の文言が強烈に刺さってきます。

 「いやいや、気にしますよ! 気にしないの無理ですよ!」とツッコミを入れたくなるほどの圧倒的な不気味さ。

 こういうシチュエーションだったのか、という驚きと共に、すごい余韻を残す作品でした。