一年の始まりに良いものを読んだ。そう思わせてくれる小説です。
全7話。その一話一話において、日本人なら誰もが(その内の数人は)知っている、ある福の神が登場します。
もうそれぞれの名前、特徴を見ていくだけで、お正月のこの時期には心が洗われて行く気がします。
七福神と言えば、恵比寿様や大黒様、弁天様や毘沙門天、布袋どんなどは有名どころですが、ちょっとその先が答えられない方も少なくはないのでしょうか。
本作を読めば、七人全部の名前、そしてもたらしてくれる福の種類まではっきりと学ぶこともできます。
お正月の静謐で、どこか昂揚感のある空気。それをあますことなく書きつくし、更に招福もしてくれそうな本作。手に取ればきっと、幸せな気分が味わえるはず。