幾つ四季が巡っても。淡く、されど確かな。


 一行一行が短く区切られ、とてもとても心地良いリズムで紡がれていく。そして同時に言葉のひとつひとつが、長く長く余韻を残す。

 台詞から、登場する品々や色彩から、心理描写から、「2人」の姿がありありと浮かぶのに、詩的な美しさや柔らかさをも感じます。

 じんわりと胸に沁みていく、人肌ほどの温もりの、切なさ。

 そんな印象を受けました。
 大変素敵な作品です。未読の方は是非。

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