いのち儚く、されど強く。「蝉」を見つめた珠玉の五首。


 蝉という生き物。夏の風物詩。

 その生の長いときを土の中で過ごし、外でありったけ鳴くのは、ほんの短い間だけ。

 その生は、儚いのか?
 たくましいのか?

 「騒がしい」と表される、あの鳴き声が確かに聞こえてくるけれど。人の眼差しから静かに、真摯に、多角的に、この生き物のすがたと向かい合った。そんな五首。

 厳選に厳選を重ねられたと思われる言葉で、大切に紡がれた歌たち。読めば読むほど、読み手の想いが広がりゆく、まさに珠玉の作品です。

 また夏が来て、蝉が鳴きます。
 皆様もぜひ、味わってみてください。

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