紙媒体と猫使い　魔法文学科国文専攻

モリ・ミフユは、深い薬草知識と患者の体調を見る能力から「魔女」と呼ばれる祖母の元で育った。その血をひいてか変則魔法適性持ちである。15歳の秋、彼女は地元の猫神神社のお神子に選ばれるが、そこでふとしたことから『平家物語』の一節を使って大規模魔法を発動してしまう。魔法省の監視のもとN県を離れ、東京で暮らすことになったミフユは私立西都女子高校に編入し、お隣の国立西都大学の「魔法文学科」にも飛び級・特待生待遇で所属することになった。しかし、そこは加速魔法の使い手などメジャーな魔法士たちからは「吹き溜まり」とあだ名される場所だった。所属する学生の多くが一般的な魔法式によらず、文学作品を駆使して魔法を発動する姿から「紙媒体」と揶揄されることもあるが、その平均能力はデバイスに頼る魔法工科大学の学生を軽く上…続きを読む