第4話 部下に甘えた声を出して頼るんじゃねえ
そんなわけで不遇な若手職員時代を過ごしていたんですが、あるときブチ切れまして担当替えになりました。それからは数年間は割と上司に恵まれたと言っていいかもしれません。まあ、2時間職場で怒鳴り合いをした副支店長も居ますけど。でも、なぜか人事評価は最高だったんですよね。謎。
いつしか私も係長になり、そのうちになぜか社長直属の秘密プロジェクトのメンバーになります。そんな組織なんで役付きばっかりで係長というのは1番の下っ端としてですが。そして、本社の経営企画室で長期経営計画の策定に関わることに。まあ、半年間のレンタルって条件だったんですけど。
このポストが最悪で、今まで上手くいっていなかったものの寄せ集めを担当するものでした。花形部署ですし、出世の見込みもあるかもと大人しくしていたのが裏目に出て、行ったばかりなのに進捗の遅れの責任を負っかぶされてぼこぼこにされます。役員会にかける前の事前説明のことを知らされず本部長を待たせたまま私1人帰宅するという悲惨なこともありました。
みんな出世のことで目をギラギラさせてるから足の引っ張り合いや責任転嫁が日常茶飯事なんですよ。で、何がクソだったかというと上司の課長。自分で考えて指示を出すということが全くできない人でした。どんどん上からも横からも責められ、別の担当の係長からも突き上げを食らった挙句、にっちもさっちもいかなくなり、金曜日の深夜に私の携帯に電話をかけてきました。
「ねえ、〇〇さん、どうしたらいいと思う? 明日朝出勤して考えてくれる? 私も出るから」
もう出世とかどうでも良くなっていた私は断固拒否。
「あんたさあ、管理職だろ。部下に相談してんじゃねえ」
電話を切って電源もオフにしました。
瘦せても枯れても管理職なので、部下に指示を出さずに頼りきりとか立場が逆転しています。本当にこのときは消耗しました。まあ、向こうも私みたいなのが部下で苦労したんでしょうけどね。ここで覚醒したので私は今では立派な問題社員です。
この後もふわっとした指示しか出さないくせに答えを持っていくとダメ出しだけ続く無能な上司とか、顧客第一主義とか言っちゃってマンパワーが足りていない中身をごり押しする上司とか、色んな方にお会いしました。でも、もう出世の道が絶たれた社員に怖いものはありません。でも、この境地に至るまでは大変だったなあ。しみじみ。
皆さまのヤベー上司話、よろしければお聞かせください。
ではでは。
クソ上司列伝 新巻へもん @shakesama
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