気持ち悪い女ってのは物語の宝石だ

 頭のよさや力をいろいろな形で使うのは物語の特権で、そういう意味で悪徳はメノウやバロック真珠のようなもの。
 正直それだけそれ一本では興が覚めてしまうものなのだけど、さりとてないとそれもつまらない。
 薬瓶の中のシリカゲルのようで使えることがわかって少ないのがいい。
 そういう上質に気持ち悪い話だ。
 もちろん、あまりお勧めはしない。
 これこそ真正の悪役令嬢の物語なんだけどね。

 そういうところも含めて、なかなかよろしい。