#レジ前人生下り坂の予兆

STORY TELLER 月巳(〜202

#レジ前人生下り坂の予兆

#レジ前人生下り坂の予兆


【︎ storytellerbyTukimi©】


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こいつモテないだろうなぁと思う仕草、私的今週目撃第一位を。

十八回目に、目撃して。あ、私今また間が悪いな、私調子悪いかしらと内心思いながら無料のキャンペーンの景品を渡す。


あごをひとしゃくり会釈の代わりか、上げ下げ3ミリして出たサラリーマン風の今の人きっと会社の面接帰りか、就活中なんだろう、こんな時間にスーツな、現れ方も。


多分、6缶ビールを掴む掴み方も。

上手くいかなかったんだとしたら、まともに会釈すらできないおっさんに、自分が落としたものを、店員だからと拾えと言われた不快さの、少しは溜飲が下がる、いや下げる。


今日の私はバレンタインキャンペーンの、チョコレートをCMする人気俳優さん写真のクリアファイルを配る、お仕事なんだから。


今は昼で人はいないが、学校終わりくらいになれば少女達が、誰かにあげる愛のためと、半分以上は実は義理人間関係的大量生産用友チョコのために、訪れて。


三箱お買い上げで一枚のクリアファイルを配る私が顔で楽しい気分に水を差すなんて。



まあ、大丈夫。

私の表情を、隠すマスクもあるし。


家には自分用のチョコレートケーキをバレンタイン夜には届く手筈で。

私は私の楽しみがある。


少なくとも。

あのおっさんは、きっとやけ酒食らって、また、バレンタインも、もしかしたらまた、飲んだくれ、たりしてなあなんて。

勝手に予想して。バレンタイン当日までのこのスーパーでのバイト。また姿見たりしてなんて勝手に予想を楽しんでみるくらいは。


口にしなければ、自分だけなら許されるでしょう?


バカにする人の目は慣れているけど。

残して行って拾わなかったレシートをぎりぎり握りつぶしてしまうくらいに。

腹は立つよねー、接客者ももの思う人間だって。


金で心まで売ってません、とゴミ箱にこっそり投げ入れる。





昨日を終えて。

三日間バイトの最終日。



夕食前の買い物賑わう時間に。

あの男が、来た。


家族いたんだと思ったけれど楽しい関係では無さそうだった。

幼児二人と妻らしき人が、彼とは人二人近い距離を確保しながら他人顔みたく、いかにも楽しくなさげに、かろうじて。


彼が呼べば渋々近寄り、彼の欲しいもの、言うままに手に取りカゴに入れ。

片手に子の手、口では、もう一人の子を呼ぶ。


そのままレジへ向かう、そのかごに、チョコレートはないようだった。



観察対象にしていた、男と家族が去り、

クリアファイル20枚束二つを配って。

しばらくして。

カップル一組と、男子学生三人組が目の前でお菓子を選んでいる。


お調子者みたいな役の男子学生がお前彼女からもらうんだから、おれにチョコレート買ってくれよーなんて言い。

彼女がいるらしい一人がなら、ワンと鳴けたて言葉に犬の泣き真似して、冗談か普段のやりとりかのか、チョコレート持って、『はいご主人様』なんて言うのだから。


カップルの、女の子が彼の袖を引き場を遠ざかり。


三人組の一人傍観してた子は、ドン引きしたよう顔をし。


周りを気にせず。

主人とよばれた子はにこにこし。

レジ行くぞと。チョコレートをねだる子と歩き出しかけて。


残された一人に。いるか?と言うが。

ドン引きした彼は要らねーと繰り返し無意識にか腕をさすりながら。二人に遅れながら。


そしてみんなレジの列に吸い込まれて行った。




えらいものを見たと、店内音楽聴いた時我にかえる。

クリアファイルを渡し忘れたが、時は遅くもう五分でスーパー閉まる。


残りをお店の人に渡して。

退店。


派遣会社に出すレポートをスマホメッセージに打ちながら。



記憶鮮やかに見た人達が。

これから人間関係、変わる、その未来が私にはほの暗く。

あまり良くなさそうだと思うけど。

カバンにスマホ仕舞い込むともに、気持ちを手放す。


仕方ない。

私に関係ない。


だいたい今どき。

知らない人から話されては怖いだし、うるさいだし。



大体みんな、実際落ちなきゃ身に染みない。


二度と会わないだろう出会いが。

どうなろうと。私は知らない。


観察するくらいが楽しいのだから。

楽しいだけで良い。

苦しいは要らない。



さて。

次の派遣先は、どんな人が。

どんな、出会いがあるでしょうか。


面白い、見たことない系がいるかしらね?


そう。

返り咲くストーリー、が当たり。

それ以外はバリエーションあるハズレ。


次は当たりを観察したいものですが。

落魄れる方が簡単だからありふれて。

なかなか当たりが、ねえ?


欲しいんだけど。

サクセスストーリー話ネタは、なかなか。

そう簡単には集まらないもので。


-お仕舞い-


※この話はフィクションです。


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【今宵の独り言】


書いた話ですが、

勿論フィクション。

あくまでインスピレーション。


舞台も、設定も。

別世界の、同じ名前で呼ばれる名前として、

現実との違いはあくまで作り物として、受け取って頂けたら幸いです。


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言われないから、嫌われていない、では無いですよね。

注意されないから、注意されるような振る舞いではない、とは限らない、そのように。


そして。

楽な方へ落ちてゆく道に門番はいない。


正しいや、美しいには、ある一定のルールや法則、筋があるから、それなりに道に関所があるけれど。

だからこそ。

手抜きしますか?楽、します?そうしますか?


注意すら諦められるくらいに、どうしようもない人と。言われる事だけは。

個人的にしたくないし、おすすめしませんが。

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