第22話: 激戦の果て

激しい雷光と闇が交錯し、ナーベとアクラルの戦いはさらに熱を帯びていた。ナーベは冷静に戦況を見極め、彼女の雷撃を適切に放ちながらアクラルの強力な影の魔法をかわしていく。一方、アクラルは第3形態の力を駆使し、ナーベを追い詰めるべく闇の鎌を振るい続けた。


「どこまで私の攻撃を避けられるかしら?」アクラルは楽しそうに声をあげた。


その言葉にナーベは表情を変えずに返す。「避けるだけではない、そろそろ攻勢に出る。」


ナーベは瞬時に自身の魔力を高め、手を空に掲げる。大気が静かに揺れ動き、次の瞬間、ナーベは巨大な雷撃を一気に解放した。


「雷鳴震天!」


無数の雷がアクラルに向かって降り注ぎ、爆発音が戦場を揺るがせた。アクラルは素早く影の防御を展開し、雷撃の一部を防いだものの、その威力は想像以上だった。影のバリアは徐々に崩れ、アクラルは直撃を避けきれない。


「クッ…!」


アクラルは後退しながら、再び闇を集めて次の攻撃の準備をする。しかし、ナーベは既に彼女の動きを読んでいた。


「終わりだ、アクラル。」


ナーベはそう宣言し、さらに強力な雷を放とうとしたその瞬間、戦場に別の声が響き渡った。


「そこまでだ。」


突如、闇の中から現れたのは、ガイゼル自身だった。彼は冷静な表情で戦場を見渡し、アクラルに向けて一言だけ言った。「引け。」


「ガイゼル様…しかし、私はまだ…」


「今は引く時だ。奴らの実力を見誤るな。」


その言葉にアクラルは歯を食いしばりながらも、忠誠心から後退することを決意した。彼女は影の鎌を下ろし、再び闇の中に消えていった。


ガイゼルはナーベを一瞥し、そのまま静かに後退を始めた。ナーベは追撃するつもりだったが、その場の状況を見て、一旦手を引くことに決めた。今、無理に追いかける必要はないと判断したのだ。


「また戦うことになるだろう。」ナーベは小さく呟き、敵が完全に退却するのを見届けた。


ガイゼルとアクラルは、次の戦いに備えて戦場を離れた。彼らもまた、ナザリックの脅威を再評価し始めていた。


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オーバーロード外伝 〜異端の死霊術師の逆襲〜 runa @hamster-Altair

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