第4話
そこまではまだ、よかったのだ。
「なんだよ〜そんなに焦るとか、マジで付き合ってるの?もうキスとかしちゃったわけ?」
俺の反応を見てニヤニヤと追及し始めた友人達は完全に悪ノリしてる。
キスとか、やめろ、片思い拗らせた思春期男子の妄想力をなめるなよ!うっかり想像しちゃうだろうが!
脳裏に柚麻の顔を想像してしまう。正直言うと今まで何回か妄想したことはある。柚麻が喋ってるの見ながらぷるぷるの唇が可愛いとかエロいなぁとか考えたことも二度や三度じゃすまないです。ごめんなさい。
もう誰に向かって謝ってるのかもわからないけど。
時間にすれば数秒のことだったと思うが、脳内であれこれ考えすぎて、自分でも何を血迷ったのかわからない。
思考がないまぜになって、気がついた時には、思ってもない言葉が飛び出してきたことは確かだった。
「っ、俺と柚麻は付き合ってるとかありえないし!どっちかって言うと白藤みたいなふわふわした守ってあげたい女の子がタイプなんだよ!!」
それが思いの外大きな声量になってしまい、少し離れたクラスメイト達の耳にも届いたらしく教室はしん…と静まり返った。
「……え?」
かたんっと音がした方を見やると、教室の入り口には目を見開いて茫然とする柚麻が立っていた。その少し後ろにはものすごい目で俺を見ている千景もいる。
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