第9話
再び、教室には沈黙が流れる。
捉えた瞳は驚きに染まっていて、それが告白自体の内容になのか、はたまた俺がストレートな言葉で想いを伝えたことになのかはわからない。
泳ぐ眼に少しだけ視線を外されて、ちょっと悲しくなる。
もう手遅れだったかな。
そうだとしても、気持ちを伝えられたことに後悔はないから。
80%くらいの振られる覚悟と、20%くらい、夢見たい気持ちとを抱えながらじっと彼女の答えを待つ。
柚麻の唇が、小さく空気を吸いこんだ。
「私のこと、泣かせたら承知しないからね。」
そう答えた柚麻は、涙ぐんでいたけど、俺が一目惚れしたキラキラの笑みを浮かべていた。
つられるようにゆるゆると口角が上がっていくのが感覚で分かる。
20%の夢が、叶った瞬間だった。
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