第3話
今回の事の発端はHR終わりの掃除の時間の出来事だった。
ゴミ捨てに行った千景と柚麻とクラスの女子が戻ってくるを待つ間、教室で待つ俺と数人の男子で可愛い女子の話になった。
思春期真っ只中の中学2年生といえば、異性の視線が気になるお年頃。誰それが可愛いとか、誰々が付き合ってるだとか、よくある話題のひとつだろう。
いつもと違ったのは、話題に上ったのが柚麻だったことだ。
「でもさー、うちのクラスで言えば、やっぱ
柚麻の名前が上がり、思わずピクッと肩が跳ね上がる。どうやら目の前の友人達には反応したことに気付かれなかったらしい。ちなみに名前が挙げられていた白藤梨乃華は、柚麻と1番仲の良いクラスメイトの女の子だ。
入学してすぐに柚麻達と親しくするようになった俺は、第三者目線で彼女の話を聞く機会が意外に少ない。
が、そのまま友人の話を聞いていると意志の強そうな瞳が印象的な綺麗系の柚麻と儚げな雰囲気を纏う可愛らしい白藤は学年でも密かに人気が高い…らしい。
「……でさ、晃はほら、鈴木と仲いいじゃん!ぶっちゃけどうなの?実は付き合ってるとかあるの?」
「…っ、はぁ!?」
適当に相槌を打ちながら聞いていたはずが、急に自分が話題の中心に取り上げられた俺は内心めちゃくちゃ焦って、取り乱した。思い返してもかっこ悪いことこの上ない反応だ。
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