4.総評で怒られた(と思う)けど個別講評をもらいたくなった
私は好きなものだけを書いていて書きたくないテーマや展開には手を出していませんが、コンテストには応募しています。でも商業作家を目指しているからではありません。小説を投稿し始めて2年ほど経ち、自分の小説がどの程度ちゃんと書けているのか、コンテストに応募して確認したくなりました。
私は趣味で小説を楽しく書いているので、切磋琢磨しなくていいと思っていました。でも読者の皆さんから反応をいただくと嬉しいんですよね。そうすると、勝手に自分の好きなものだけ書いているにもかかわらず、読者の皆さんは拙作を楽しんで読んでくださっているだろうかという疑問や、楽しんで読んでもらいたいという欲が出てきました。だからそのためにもっとうまく小説を書きたいなと思って力試しのようなつもりでコンテストに出していました。
だけど自分の小説をよりよくしたいのなら、講評をもらえる公募に出すべきだと思うようになりました。そう思うようになったのは、まちかりさんの創作論『【考察】選考者から一言』を読んでからです。
『【考察】選考者から一言』(まちかりさん作)
https://kakuyomu.jp/works/16817330662740850480
今まで私はタグ設定とか「コンテストに応募」ボタンにチェックを入れるだけで気軽に応募できるような小説投稿サイトのコンテストにのみ応募していたので、受賞作品以外は個別講評をもらえないことに慣れていました。でもまちかりさんのエッセイを読んで、一次選考で落ちても希望を出せば講評をくれるコンテストもあると知り、驚きました。
まちかりさんの経験によれば、講評の内容は今後の創作に役立つ真摯なものばかりではなく、あからさまに提灯記事みたいな誉め言葉ばかりが並ぶものからこき下ろしまで色々あるそうですので、公募は選ばないといけません。まちかりさんのような公募経験者のエッセイを読むと参考になりそうです。
今年、私はKADOKAWAとムーンライトノベルズのタイアップコンテスト『2024eロマンスロイヤル大賞』に『傀儡妃は幼馴染の王太子をひたすら愛する』で応募し、一次選考だけ通過しましたが、もちろん講評はいただけませんでした。それでも一次選考通過自体初めてだったので、とても嬉しかったです。
このコンテスト応募作品はムーンライトノベルズとエブリスタに投稿しているR18版ですが、カクヨムでもR15版を投稿しています。今はカクヨムコン10に備えて休載中です。
『傀儡妃は幼馴染の王太子をひたすら愛する』
https://kakuyomu.jp/works/16818093082545600224
2024eロマンスロイヤル大賞の受賞作品は、10月8日に総評と受賞作品への選評と共に発表されました。
https://static.kadokawa.co.jp/promo/eromanceaward2024/2024result.html
何気なく2024eロマンスロイヤル大賞の総評を読んでガクブルしました。
「「eロマンスロイヤル」は大人女性が官能恋愛シーンを気持ちよく楽しめるレーベルを目指しておりますが、自分の書きたいものに意識が行き過ぎて、読者への配慮が欠けた過度な描写がある作品がいくつか見受けられたことは残念でした。」(引用以上;傍点は筆者が付加)
上記の部分を何度も読み直して「こりゃ、私のことじゃん!」と思わず叫びそうになりました。私は、本作のアントンという脇役をどヘンタイクズ夫にしたかったので、ちょっぴり無理矢理場面とか、見られそうなスリルで盛り上がる(?)エッチシーン(カクヨムでは当然のことながら運営から怒られない程度の描写)を入れました。でもそういうのが好きな読者は、恋愛小説でほどほどの「官能恋愛シーンを気持ちよく楽し」むことが好きな読者よりも圧倒的に少ないでしょう。
「自分の書きたいものに意識が行き過ぎ」という言葉は実に耳に痛かったです。Web小説投稿サイトのコンテストは公募よりも簡単に応募できてしまうので、どうせ受賞しないだろうとは分かっていたものの、自分の性癖を詰めた作品でもどこまで通用するか力試ししたくて応募してきました。でもそんな甘っちょろい態度で応募するものじゃないですね。正に単なる記念受験状態でした。自分の性癖ごり押しの作品は趣味でやっているので、書籍化を目指すコンテストにはそぐわない――今回、やっと自覚しました。
だから今後は、レーベル(=レーベルの読者)が求めるものに合っていそうだと思えた作品だけを応募していこうかな、すべきかなと思ったりもします。最初はそうすべきと思ったんですけど、投稿サイトのコンテストでは講評をもらえないんですよね。それなら撃沈覚悟で応募してもいいものなのか。やっぱり迷います。でも講評をもらえる公募に応募するなら、こちらも礼儀を守ってレーベルに合わせた作品を応募するつもりです。
次回の「物書き徒然日記」では、KADOKAWAのBL小説レーベルである角川ルビー文庫のコンテストを例にとり、レーベルの求めるもの(この例では挿入ありのエロ)を盛り込まなくても作品の質さえよければ、コンテストで受賞できるかどうか考察します。ただし、私自身には公募に応募した経験がないので、カクヨムで公開されている他の作者の方々の経験談を参考にします。
【追記2024/10/14】講評をもらえるコンテスト
今、「物書き徒然日記」の第6弾記事のためにBL関連情報を調べているのですが、次回作へのアドバイス付きの懇切丁寧な総評や次回のコンテストに向けた質問回答を、徳間書店のBLレーベルCharaコミックスとキャラ文庫のサイトで見つけました。次回の第3回キャラ文庫小説大賞ではどうなるか分かりませんが、第2回キャラ文庫小説大賞では中間選考を突破した作品は希望すれば個別選評を送ってもらえるそうです。
それから自分で見つけたわけではないので、ここには具体名を書きませんが、S〇ク〇エイ〇ィブのラノベレーベルのコンテストのように、他にも中間選考を突破しなくても希望すれば講評をもらえるコンテストもあります。段々、小説投稿開始当初(2022年11月)の怠けモードが変わって来て講評をもらって切磋琢磨したくなってきました。
創刊25周年記念キャラ文庫小説大賞 結果発表(2023/6/22)
https://www.chara-info.net/news/36758/
第2回 キャラ文庫小説大賞 結果発表(総評&個別講評)(2024/7/1)
https://www.chara-info.net/news/44813/
第3回 キャラ文庫小説大賞 質問回答(2024/7/19)
https://www.chara-info.net/news/45419/
【追記2024/11/10】カクヨムコンの講評について
以前、私は小説投稿サイト主催のコンテストで受賞作以外は講評をもらえないことに何の疑問も持っていませんでしたが、本記事記載のまちかりさんのエッセイを読み、考えを変えました。コンテストに落選しても次に向けて作品を良くしていきたい場合、講評はとても役に立つはずです。
なので、カクヨムコンでも(今回は無理だろうから次回からでも)せめて抽選でいいから講評を出してくれないかなと思い、2024年11月7日開催の「カクヨム編集長が質問に答えます!zoomウェビナーイベント」のための事前質問がカクヨムのDiscordサーバーで募集された時、真っ先に(2番目でしたが)それについて質問しました。
結果的に言うと、私の質問は取り上げられませんでした(涙)多分、応募作が多すぎるから無理ってことなんでしょうが、だから「抽選で」って聞いたのに。それとも今回のカクヨムコンのことじゃないからか(希望を言えば今回からやってくれると嬉しかったのですが)、後から「説明イベント事前質問」とつけたのがいけなかったのか。多分どっちも当たっているかもしれません。
でも本音で言わせてもらえば、運営は膨大な量の応募作が集まるカクヨムコンでこんな手間のかかることをする気ないんだと思います。全体のレベルアップはどうでもよくて、一部の才能のある作者さんの作品を見つけられたらいいってことなんでしょうね。利用が無料な以上、会社はどこかで利益をあげていかなければならないから仕方ないと言えばそうなのですが、ちょっとがっかりしました。
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