深夜のラジオが紡ぐ、言葉と想いの物語

 静かな夜に響くラジオの声。
 それは誰かの心にそっと寄り添う、小さな灯火のよう。

 「アタラジー!」は、個人ラジオを通じて成長していく一人の高校生の物語。
 深夜の放送室で紡がれる言葉は、リスナーとの距離を縮め、やがて彼自身の道を照らし始めます。

 何気ない日常のぼやき、お便りを通じた交流、夏の風物詩を語る時間。そのどれもが温かく、どこか懐かしい。
 主人公の素朴な語り口が、まるで実際にラジオを聴いているような気持ちにさせてくれます。

 やがて物語は、「声を届ける」という行為が持つ力と、挑戦することの意味へと深まっていきます。
 ラジオを通じて生まれた繋がりが、彼をどこへ導くのか。その行く先を、ぜひ見届けてほしいです。