鬼雅島に住む鬼の中で、誰よりも強い鬼姫。
そう聞くと、どんな恐ろしい鬼だろうと思ってしまうが、この紫焔という鬼姫はめちゃめちゃ可愛い。
鬼だから力は強いし、敵に立ち向かう胆力もハンパない。
その潔さからは男気のようなものすら感じるのに、どこかヌケている。
そこがめちゃくちゃ可愛いのだ。
鬼の婚約者に浮気され、自分よりも強い男を探して鬼雅島を出て行く紫焔。しかし人の世は鬼に怯え敵視する者ばかりだ。
紫焔は鬼であることを隠し、大倭国で最強の男を探すために後宮の女官になる。
もちろん人の常識がわからない彼女は様々な問題を起こすが、堂々と我が道をゆく姿は痛快ですらある。
紫焔の活躍もさることながら、平安時代の物語や、歴史的人物に当てはまりそうな登場人物たちもまた魅力的だ。
「この人はもしや……」とニヤニヤしながら読み進めるのも楽しい。
痛快な和風ファンタジー。
ぜひとも鬼姫の恋の行方を追って欲しい✨
人間の英雄・源頼光に征討された鬼たちの住まう島に暮らす、主人公の紫焔。島の長の娘、即ち鬼族の姫である彼女は、眉目秀麗なる乙女であったが、あることを理由に男たちから避けられていた。
それは──"余りにも強過ぎる"こと。
強過ぎるが故に孤高、ある意味で高嶺の花状態の彼女はある時、友人の鬼女と懇ろな関係となり、情欲の赴くままにまぐわっている(意味深)許嫁のあられもない姿を目撃する。
怒髪衝天、怒り狂った彼女は両者に制裁を加えた上で婚約を破棄、自らよりも強き者・運命の人を求めて島を飛び出す。その先に、何があるのか知る由もない──
果たして、彼女は真の恋を見つけることは出来るのか? そして、彼女の運命の人は?
鬼の姫君が紡ぐ恋の物語、これから先、一体どのような展開を迎えるのか。乞うご期待。