なみだなぎさになみだつて

鹿

涙、渚に波立って

 どうしようもなく、不可思議な心地になることがある。それは突拍子もなかったり、連続的な森羅万象の流れの隨にであったり、様々の場合を内包する事象であるのだけれど、それで、いい。

 私の状況を端的に申し上げるのであれば、海に浮かんでいる。女子高生が制服を着たままぷかぷかと。頬を濡らすのが海水なのか涙滴なのかはもう分からない。そう思ったからこそここに来たわけだが。

 私の涙はこの海に流れ、巡り巡っていつの日か、誰かの涙へ成り代わる。水の循環とはそういうものだ。私の身体も、この星の規模で考えればリサイクルされているはずだ。

 この感情も、私の中で、何がしかに変換されて行くのだろうか。なんにせよ、意味あるものになることを祈ろう。

 なみだなぎさになみだつて。

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なみだなぎさになみだつて 鹿 @HerrHirsch

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