武器はプログラム技術。電脳空間を守ったり、カバ精霊のケツを蹴り上げろ!

夏休みの宿題すらガン無視するダメダメな女子小学生・蘭が好きな物はコンピューター。
そんな蘭は、見知らぬ世界へ、少年・創斗と一緒に召喚されてしまう。

ぬいぐるみのカバみたいな奴によって!

曰くそいつは「ここは電脳世界。ボクは電脳精霊ヒポタンさ! ボクと契約して電脳世界の平和を守ってよ!」

あまりに唐突な無茶ぶりに困惑する二人……だが、「毎月スイーツ食べ放題サービス」でまんまと釣られて請け負ってしまう。

こうして、蘭と創斗は電脳世界の平和を守る、電脳レスキューレンジャーとして戦うことになるのだが――。


その敵とは、電脳空間を脅かすネット社会の暗闇とも言うべきもの。
二人はそれぞれが得意なIT知識を活かした共同戦線で立ち向かう。




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ここからは大人目線・保護者目線でのレビューです。

最近は小学生向けのコーディング(プログラミング)の習い事をしてるお子さんが増えてるかと思いますが、そういう子には刺さりまくる作品です。

私の身近にも、マイクラやらRobloxにハマって、自分でもコーディングしちゃう小学生男子がいるのですが、好きになってくれそうだなと感じました。

というのも、作中の戦闘シーンのギミックが、プログラム知識を活用して謎解きすることで攻略するというものになってるんです。
これの難易度が丁度良くて、作中のキャラと一緒に謎解きしていく感じで読めるんですね。

で、これそういうの習ってる子だったら、キャラよりも先に自分で答え出せちゃうので、『俺すげえ』感とでもいうのか、ヒーローになった感みたいな楽しさを味わえるんじゃないかと思いました。
キャラと一緒に戦ってる感、そっから自分の知識で解決した感、みたいなカタルシスが出る構成になってるんですよね。
これはかなり楽しめるんじゃないでしょうか。


それ+で大人目線での見所としては、ネット社会でのマナーやセキュリティ意識を自然と学べるということです。
現実で起こったネットに関連する事件を題材にしているので、実際に子どもたちが直面するネットの危険性などがリアルに描かれます。
もちろん、そこから身を守る方法もですね。

これがお説教臭すぎずに、物語を楽しみながら学べるので、『教えられてる感』みたいなのが無くて、
キャラたちのネット上での失敗などに感情移入し、共感する形で読者が『自分も対策しなきゃダメだな』みたいに思えるように構成されてるのが素晴らしいです。

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