あとがき

この作品の着想は2つあります。


まず1つ目はどんな風に死にたいかです。かっこいいじじいになって死にたいなと思います。私もいい年齢でフラフラしてて家族や子供や孫に囲まれて死ぬというのは無理そうなのですが、だからそのぶん死ぬまで楽しくいようと思います。


人生の終わりの方になってやっと何かを残そうと必死になったりせずに、人の言葉を勝手に借りて冗談言ったりしたいです。


そのためにはそれまでに十分残して今更言うことないようにしたいんです。何かを語るなら60前までに終わらせたい。その後は次の人の言葉をしっかり聞いて楽しみたい。


2つ目は文学の世界では呪術廻戦読んでる人より純文学を読んでる人の方がすごいと思う人が多くて嫌だなと思ったからです。すぐに過去の名作に例えたがるでしょう?


私の中では純文学も漫画も違いないです。もしかしたら呪術廻戦読んでる人の方がいいのではないでしょうか。


例えば夏目漱石のこころはすごいです。大好きです。でも時代が進んで発展したストーリーの組み方や漫画の表現の多様性を考えると呪術廻戦が勝ってる可能性があります。私もしっかり評論して2つを比べてないのでなんともですが、良くないところはその可能性を脊髄反射で否定する人が多いこと。


それと合わせてなにより同じ時代に生まれた作品だと言うことが大切だと思います。こころって新聞連載なんです。リアタイした人はまじで羨ましい。自分の時代に満たされたことでしょうから。


私達は便利な時代に生きていて過去の名作をいつでもどこでも読めます。少し調べたらランキングも出てきます。なのでどうしても出てすぐの評価の定まらないものを、自分の時代のものを下げて考えがちです。


そういう風な感覚でいる限り自分の作品って書けないです。だって自分の作品も常に下になるわけじゃないですか。客観的評価を無視するべきだとは思わないですが、最新の自分達の時代の方がすごいに決まってるっていう気概でいるべきです。過去の名作なんて余裕でぶっ倒すっていう気持ちで。


そのために今YouTubeで見ているもの、今読んで漫画や雑誌、今食べているコンビニ飯を大切にすべきです。そこから私達の時代の文体やテーマや作家が生まれてくるのだと思います。


そもそも最近の漫画のセリフを遺言に使って何が悪いのてしょうか。夏目漱石や太宰治を遺言に引用してもいいでしょう。同じです。その時代の優れた言葉をかりるだけです。そしてどんな作家も誰かの今際の際を飾る気合いで書くべきです。


胸張って私達の時代を生きよう。そんな意識でできるだけふざけて書いてみました。

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僕のじいちゃんアカデミア ぽんぽん丸 @mukuponpon

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