夢が、現が、境界線を跨ぐ

例えば、「ヴァーチャルリアリティーの世界に五感ごと飛び込んで遊ぶゲームだったはずが、その世界での死は現実での死に直結していた」というのは創作にはよくある設定に思います。でも、もし、そんな世界に実際にアクセスしてしまっていたら?
自分の経験を思い起こすと、夢から覚めても残っている感覚って、とても強いです。現実ではそうそう体験しないような強度、かつ長く残ります。
それが楽しかったとか、美味しかったとか、何かしらプラスの感覚ならまだ良いのですが、マイナスだったら? 現実ではそうそう体験しないような苦しみだなんて、ゾッとします。
夢は精神に影響されると言いますが、実際の身体感覚にも影響されます。暑いとかトイレに行きたいとか、その程度の感覚なら良いのですが、もっと深刻な病気の兆候のようなものが反映されていたとしたら? それもゾッとします。
睡眠時無呼吸症候群や、いわゆるポックリ病。そんなものも思い出しました。

作品に描かれていることからはズレてしまった点もあるかと思いますが、個人的に、いろんな怖さを考えずにはいられないエピソードでした。

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