私は
さてこの隆盛は誰が起こしたものなのでしょうか。ハルヒ、SAO、転スラ、無職転生などの文化を代表する作品の作家さんでしょうか。またはまだ小さな作品だったものを自分の趣向を信じて称賛したファンでしょうか。どちらも間違いなくこの隆盛を作った人達です。
しかし私が最も称賛したい人は投稿サイトを作った会社やライトノベル作品を育てた出版社の方々です。
出版社は今は東大、京大の文芸部を卒業している方が殆どだと聞いております。みな文学を志して入社するので漫画の担当になりやる気を失くす人がいるそうです。今、日本を代表するカルチャーである漫画の担当になって、やる気を失くすんです。今なお続く文学に対する信仰のようなものがあるのです。ここではその是非は問いません。
ただそんな高い志を持った人の中に真剣にライトノベル文化を作り上げた人がいたんです。圧倒的エリートであり、夢のために想像できないほど必死に勉強して、その結果ライトノベル担当になったと思うのです。周りには下に見られたかもしれません。でもそこで腐らなかった人達です。
読者である若年層に合わせて軽い文体で。値段も安くポケットに入れて持ち運べる文庫サイズ。ゲームのファンタジー要素を取り入れてわかりやすく。定番を作ってみんなで共有しよう。そんな作品を書いてくれる人を探してサポートしよう。
思い描いた自分の夢とは違う場所で相対した読者や作者に真剣になった。どれほど難しいことでしょうか。
出版は息をしてないです。全盛期の半分に市場規模が縮小した業界に未来はないです。今から出版に投資しようと考える人がいるでしょうか?そんな斜陽産業の中で新しい潮流を作り出した。歴史を振り返っても偉大なことです。
印刷工場、紙の生産工場、出版流通、表紙デザイナー。出版に関わるすべての仕事はここ20年で半分消えました。今後どうなるのでしょうか?もし、ライトノベルがなければもっと酷かったのではないでしょうか?
私が今後何かの間違いや一度きりの幸運で夢が叶い出版にのったとして、文学を育てた人、文学を守り続けた人達に感謝すべきです。ですが同じように出版業を守るために自分の夢とは違ったものに真剣になったライトノベルに関わる人のことを忘れてはいけません。
だから私は読みもしないのにライトノベルに感謝しています。だから私はライトノベルを一つの文化として称賛します。また"文学的な作品の方が優れている"と軽々しく口にするような浅はかで無礼な人間を私は嫌います。
私はライトノベル様が守った出版業にどうにか花を添えるために今後も文学を書き続けたいと思います。またもし、私の中にそんな力があるのなら、または私の近くにそんな才能を見つけることができたのなら、ライトノベル様への恩返しとして出版業を存続する一助になるために全力を尽くしたいと考えております。
拝啓、ライトノベル様へ ぽんぽん丸 @mukuponpon
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