うまそう

佐々井 サイジ

第1話

 嘆きのような音が腹から聞こえてきた。最近、国から支給される食糧がまた減ったせいで、もう何日も腹を満たせていない。何か食べるものがあるだけましなのだろうか。しかし、じゃがいも四分の一と水ではさすがに食べたとは言い難い。

 そんな空腹時でも萌香を見ると下半身が固くなるのはなぜだろう。腹が減っていても性欲がなくならない。むしろ増加しているような気がする。

「萌香」

 背後から抱きつくと萌香は抵抗するが、強い力ではない。これは誘いに乗り気なのか、空腹すぎて力が出ないのかわからない。萌香の肩に手を置いて振り向かせると、顔がほてっている気がした。

「いいよな」

 萌香は首を振ったが口の端が少しだけ持ち上がっているのを見逃さなかった。こうなったら空腹を誤魔化すためにめちゃくちゃにしてやる。

 萌香をベッドに押し倒し、雑に唇を合わせた。前歯同士が当たり痛みを伴ったがかまうことなく舌を萌香の中に入れた。

「痛え!」

 舌が千切れるような痛みがして萌香から顔を離した。

「ごめん。お腹空きすぎて……。もうしないから」

 上目遣いで謝られると許すしかない。もう一度萌香を抱き寄せて服を一枚ずつ脱がせて一糸まとわぬ姿にさせた。萌香はボディラインが素晴らしく、たわわに実った巨乳と桃の形のような尻が涎を垂らすほどおいしく、いや、性欲をそそる。

 萌香の胸を両手で握ると、我慢できず力の限り揉みまくった。萌香は喘ぎ声を漏らしながら感じていた。

「舌食べようとしたからこれくらい許してくれよ」

「痛いのは嫌だ」

「萌香だっていたいことしたじゃん」

「ずるい」

 何がずるいだ。ずるくとも何ともない。お互い様というもんだ。萌香の胸は柔らかくどんな口の形でもフィットしてしまう。もしこれを食べたらどんな味なのだろうか。柔らかくておいしいに違いない。焼き加減はレアくらいにしておいた方がおいしいかもしれない。

 口の端から涎が垂れ始めていた。萌香に勘づかれる前に啜って、キスしたときに萌香の校内に涎を放り込んだ。

「変態」

「それを飲み込む萌香もな」

 萌香をうつ伏せにさせ、今度は尻をわしづかみにした。両手では収まりきらないが指の間から肉がはみ出てくる。もう何度も萌香を抱いてきたが一向に飽きることはなかった。それくらい萌香の身体は素晴らしいものがあった。

 しかしこの尻も食べたら絶対にうまいだろうな。胸と違ってひき肉にしてハンバーグ作ったら肉汁たっぷりでうまいに違いない。俺は気づけばまた涎を垂らしてしまっていた。今度はそのまま萌香の尻に涎が垂れた。

 食べたい。食べたい食べたい食べたい食べたい。気づけば鼻が尻に触れた。甘い臭いがした瞬間、歯を向いて尻に齧りついた。

「痛い! ちょっと! があああああああああ」

 萌香は四つん這いのまま雄たけびを上げた。顎の力は一層強くなり、歯がみるみる尻の肉にめりこんでいく。ぶちぶちと音が鳴ると、ついに表面の皮を貫いて抜くに到着した。

「ああああああああああ」

 弾力のある肉を引きちぎると、凹んだ尻からみるみる血が噴き出してくる。萌香は言葉にならない叫び声を上げ続けている。咀嚼を続けると鶏肉のような味わいが広がった。肉を食べるのはいつぶりだろうか。

 四つん這いで前に歩く萌香の腰を捕まえて再び尻に齧りついた。今度は暴れまくるので、後ろから首を絞めた。

「が、が、が」

 しばらく痙攣したあと、萌香は動かなくなっていた。悲しいという感情がない。ただひたすら空腹を満たしたい。俺はまた萌香の尻に齧りついた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

うまそう 佐々井 サイジ @sasaisaiji

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ