老婆いすぎ問題

姉の運転で家族でドライブをしていたときのこと。

ほんの気の迷いで、知らない道を走ってみようということになった。

まっすぐ走れば目的地だったのに、趣向を変えようと山越えしてみるというような、そんな感じだ。

山を越えさえすれば知っている道に着くと思っていたのだが、甘い考えだったと気づかされる。

走れども走れども、螺旋状に続く道路に終わりがないのだ。

そんな道のりの途中で、老婆の姿が目に入った。

人がいるのならどこかに違う道もあるのだろうと信じて走り続けていると、また老婆がいた。しばらく走ると、また老婆。老婆、老婆、老婆…

同じ姿の老婆がずっといる!

道をぐるぐるしているのか老婆の多重影分身かわからないが、とにかく怖くて私たちは姉を励まし車を走らせ続けた。

どうにかして道を引き返して元の道に戻れたときは本当にほっとしたが、怖かったはずのこの体験は我が家では笑い話になってしまっている。

老婆いすぎ問題。

これは狸の仕業かもしれない。

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猫屋怪談 猫屋ちゃき @neko_chaki

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