おちる、田舎の閉塞感のなかで、僕は───。

 おちる、おちる。
 足裏から重力がきえて、腹の底にぞっ、と浮遊感がきて、
 おちる、おちる───。

 舞台は現代。
 僕は、母親につれられて、田舎の親戚、「長(おさ)」の葬式に出席する。
 田舎の閉塞感、ごろごろいる親戚、酒がはいると下卑た話題を口にする男たち。

 そんななか、6歳の僕は、忘れえぬ出会いを果たす。
 抜けるように肌の白い、美しい母娘と。
 その母娘が、実は───。

 はぁ───い、ここまでよぉぉ!
 続きは本文を読んでね。

 これ、六千文字もある?
 と思って読み始めたけど、とんでもない、この内容をよく六千文字に納められたものです。
 1話完結ですが、1ページのなかに、第一幕、第二幕、第三幕、と、三幕構成になっているので、読みやすいです。

 田舎のドロドロと、おちる浮遊感を、お楽しみください。

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