ジグソーパズル

ミクラ レイコ

ジグソーパズル

 それは、私が小学生の時。


 当時私はジグソーパズルにハマっていた。パズルのピースを嵌めると段々絵柄が浮かび上がって来る過程にワクワクした。


 ある日、私はヨーロッパの城の風景をモチーフにしたジグソーパズルに挑戦していた。城の周りには崖や森があり、とてもロマンチックな絵柄だった。朝に少しピースを嵌めてから、私は後ろ髪を引かれるように学校に行く。


 そして下校し、さあ続きをやるぞとジグソーパズルを見た時、私は驚いた。

 なんと、朝に見た時より随分完成に近づいていたのだ。もちろん、学校に行っていた私はパズルのピースを嵌める事が出来ない。


 私は、すぐに親の元に走り、聞いてみた。

「ねえ、私のジグソーパズル、勝手に進めた?」

 親はきょとんとした表情で答える。

「ううん、指一本触ってないわよ」

 嘘かとも思ったが、親の様子を見るに、とても演技には見えない。


 朝に見た時は、絶対こんなに進んでいなかった。一体、誰がジグソーパズルのピースを嵌めたのだろうか……。

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ジグソーパズル ミクラ レイコ @mikurareiko

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