ミクラ　レイコ

私が山桜の下で出会ったのは、妖しくも温かい——奇妙な声だった。 彼女が教えてくれたのは、この山に鬼が出るという伝説で……優しくもほろ苦い、昔々のお話。 ※一話完結です。

前途有望な、そして親思いだった少年・鳴尾明宏(なるお あきひろ)が殺されたのは、高校を卒業して、いよいよ夢に向かって進路を歩み出そうという春のことだった。 悲嘆に暮れながらも、明…

噂によると、俺がずっと片想いしている律子は、先生である須藤のことが好きらしい。 だが俺は須藤なんかに律子を渡すつもりはない。 俺は絶対に須藤には負けねえ。

クラスメイトの巽（たつみ）さんから、ある日カセットテープを渡された下野（しもの）くん。 家に帰ってそのカセットテープを再生すると、巽さんの声で『きすがんくのもし』という謎のワード…

王立魔剤製造局で働くゲルタは、同僚であり、婚約者でもあるモーリッツから、何かにつけて「いつになったら仕事を辞めるんだ？」と言われていた。 結婚したら女であるゲルタは、出産や育児で…

婚約者である第三王子から婚約破棄されてしまった私。 寒風吹きすさぶ中、身も心も凍えながら屋敷に帰り自室の扉を開けると、そこには謎のイケメンが……！？ 謎のイケメンは、自分は『コタ…

　みなさんどうもこんにちは。 　『突撃！　隣の婚約破棄』のお時間がやってまいりました。 　リポーターのヨネーケです。 　本日私が訪れているのは、ここ、ニャッポリート王国でございま…

「千夏、ただ今をもって、お前との婚約を破棄する！」 「――！！」 アラサーOLである千夏は、会社の創立３０周年パーティーの最中に、婚約者であり会社の御曹司でもある恭司から、婚約…

私は聖女のマイラ。 我が国での聖女はある種の偶像的な存在とされていて、その主な業務はフリフリの衣装を着て民衆の前に立ち、生歌でみんなを鼓舞すること。 今日も私は聖女として、ライブ…

婚約破棄されそうになったけど「無理無理無理無理」って言い続けてたら押し切れた。

「うーん、美味い！　このローストビーフ絶品だよ！　君も食べてごらんよ」 「もう、ウィル、あまりがっつかないでよ。恥ずかしいわね」 　今日は婚約者のウィルと二人で、名門ボールドウ…

「あぁ！　お姉様ズルいッ！」 妹のメリアは、そう言っていつも私から何でも奪っていく。 ルビーのネックレスも、オパールのブレスレットも、蝶をモチーフにしたピアスも、ダイヤモンドの…

「いやあああ！！！　レクシス！！　レクシスゥ！！！」 「……け、怪我はないかい、ミリア……？」 「私のことより、あなたが……！！」 私を凶弾から庇ったレクシス。 その胸からは、夥…

「でね、三位決定戦で僕は圧勝して、見事三位入賞を果たしたというわけさ！」 「へえ」 　婚約者であるジェフとの、二人だけの茶会の席。 　いつもながらのジェフのつまらない自慢話に、…

From：エリオット・ゴッドリッチ To：ディアドラ・バンフィールド 6/10 10:15 婚約破棄のご報告について バンフィールド伯爵家 長女ディアドラ様 お世話になって…

「アナ、ただ今をもって、君との婚約を破棄する！」 「「「――！」」」 　王家が主催している、華やかな夜会の最中。 　そこで侯爵令嬢のアナは、婚約者であるモーガン王太子殿下から、…

貴族学園に通うシャーロットは、毎朝婚約者であるデニスから、「君は今日も綺麗だね」と褒められている。 実際シャーロットは学園一の美貌の持ち主なので、綺麗なものに目がないデニスがそう…

「く、櫛崎（くしざき）さん、おはよう！」 「…………」 「嗚呼櫛崎さん、今日もお肌がスベスベで見蕩れちゃうわ！」 「…………」 　氷の女王こと櫛崎さんは、今日も男女問わずクラス…

「アナベル、ただ今をもって、僕は君との婚約を破棄する！」 「「「――！！」」」 　ワインバーグ侯爵家が主催している夜会の最中。 　私は婚約者であり、ワインバーグ家の嫡男でもある…

「……実は、僕はベラのことが好きになってしまったんだ」 「――！」 　伯爵令嬢のエイミーは、婚約者であるヒューゴーからそう告げられた。 「私が悪いのエイミーッ！！　最初にヒュ…

主にXで開催されている、#SNS文芸部 へ投稿した作品を載せる場所です。 創作意欲刺激されて、楽しいですね～！

「みんなのアイドル」の彼女の気持ちを分かる人間なんて、誰もいない。 とある珈琲店の店主の祈り。 南雲皋様の「匿名短文みんなのアイドル企画」に提出させていただいた作品です。

あざとかわいい後輩女子に告白された。 だがそんなはずはない。 こんなに可愛い子が僕に告白なんて、裏があるに決まってる。 僕は騙されない。絶対に真相を解明してみせる…！ ※ラブコ…

「ええっ！ きいろい服のおっさんが殺されただって！？」 「ウッキィィ！？」 ※リスペクトだから。 まじリスペクト。

「王太子デニス・ハイランダーは、罪人メリッサ・モスカートとの婚約を破棄し、新たにキャロルと婚約する！」 わたくしはメリッサ、ここマーベリン王国の未来の王妃と目されている者です。…

気がつけば私、悪役令嬢に転生してしまったらしい。 不幸なことに記憶を取り戻したのが、なんと断罪不可避で婚約破棄される予定の、その日の朝だった！ けど、後日談に書かれていた悪役…

短いミステリーです。 エレベーターに乗り込む主人公と魅力的な女性。 住居である10階を目指すが急なトラブルによりエレベーターは止まる。 最後の結末は……

あるSNSを寓話にしてみました。 ※この作品に特定の人物や事件を揶揄する意図は一切ございません。

「あ〜あ〜。聞こえてるかな？　こういう道具はあまり使いこなせなくてなあ…。特にこのパソコン…は、ダメダメなんじゃよ」

　ある日の午後。 　日課の昼寝をしようと横になったら、電話がかかってきた。 「もしもし、母さん？　オレだよ、オレ！」 （「小説家になろう」「エブリスタ」でも掲載しています）

『もしもし、あたしメリーさん』 ある日、メリーさんからの電話を受けてしまった俺。 特に怖くも無い怪異だと思ったが、想定外にフッ軽のメリーさんにより、俺は恐怖のどん底に突き落とされ…

『もしもし、あたしメリーさん』 絶望の淵に立っていた【私】に掛かって来た、文字化けした表示の一本の電話。 メリーさんを名乗る彼女に身の上を打ち明けた結果、フッ軽過ぎるメリーさんの…

悪いことをしたら罰が下るのは当たり前。 では、罰とはなにを以てその量を測られるのだろうか？ 罪とは、必ずしも行為のみによって定義されるものなのだろうか？

私は人生に失敗した。大学も就職も適当。 ただ楽な方に流れていった。 だから私は今、ビルの屋上に居る。

　線状降水帯だとかゲリラ豪雨だとか発達した積乱雲がどうちゃらこうちゃらって話しを耳にする機会が増えた。 毎度「みんな気象に詳しくない？」って思う。 こっちは台風のヘクトパスカルも…

煮詰まってどしようもないのに期日だけが迫った時のお話。 ※A4一枚の掌編書いてね、というお題がありまして、結果こうなりました。 【お知らせ】 メインの連載は下記となります…

父はいつも後ろ姿で私を否定していた―― ５分で読めるショートショート。 隙間時間にどうぞ。

祐里さん自主企画 お題『冷蔵庫』 https://kakuyomu.jp/user_events/16818792435716596831

　テーマ 「夏に置いてきた写真」 　明日から夏休み。 　この夏を一緒に過ごすため。 　終業式の日に、私は先輩を、 　写真部の部室に呼び出す。

少年王子はたったひとりの臣下であるメイドに異母兄の内情を探るように命じたが。 殺せたら楽なのですが生きたいとおっしゃるならば待ちましょう――まだ《ミナ・フォルモント》 命じ…

全然怖い話じゃないよ

わがまま王女サマの言いがかりで、国外追放にされた元子爵令嬢の私。 選択肢は蛮族と噂の獣人国だけ……と、やけくそで向かった先で、侍女仕えで培った髪結いを披露したら、鳥族の人々に歓迎…

庭師の孫娘サンドラと、ローゼンベルグ伯爵令息ユリアンは（身分差があるけれど）仲のいい幼なじみ同士。 ある日、ユリアンに縁談が持ち上がるのだが、その相手がユリアンとサンドラの関係を…

ソレはいつでも私のそばにいました。 物心ついた時からずっと。 見た目こそ恐ろしいですが、ソレは何もしません。 ただ、ただ私のそばにいるだけ。 だから、私は間違えました。 間違えて…

王太子との政略結婚を受け入れた令嬢カトレア。 しかし、夫の心は別の「可憐な聖女」に向けられていた――。 けれども彼女は、悲しみに暮れるどころか……？ 正妻でありながら、なぜか満ち…

公爵令嬢カルミナは婚約者である第三王子ボリバルから婚約解消を告げられる。ボリバルは男爵令嬢フアナを愛しているのだ。 ボリバルは自分有責で王家から賠償金を払うことと、平民になる覚悟…

　やってもいない罪を被せられ、公爵令嬢だったルナティアは断罪される。 　王太子であった婚約者も親友であったサーシャに盗られ、家族からも見捨てられてしまった。 　教会に生涯幽閉と…

七日後、水の底に沈む村に、ひとりの男が帰ってきた。 そこは、かつての学び舎。――すべてが過去の残り香として静かに漂っていた。 廃校となった校舎の中庭で、彼はひとつのタイムカプセル…

　宇卒鬼（うそつき）村。それは、世界一有名な『因習村』だ。 　『ホラシロ様』と呼ばれる神様をまつった祠があり、俺たちは生まれてからずっと「嘘」しかつけない体質を抱えて過ごしてきた…