西の魔女が死んだ/梨木香歩
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中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。喜びも希望も、もちろん幸せも……。
(裏表紙より)
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久しぶりの再読です。
この本を読んで改めて、私は日々を丁寧に暮らしている描写が好きなんだなと思いました。
野苺を摘んでジャムを作るシーンや、外でたっぷりのお湯を使ってお洗濯をし、ラベンダーの茂みにシーツをそっと干すシーンは、本当に大好き。
おばあちゃんはまいに、魔女修行において
“まず、早寝早起き。食事をしっかりとり、よく運動し、規則正しい生活をする”──p69
ことと、
“自分で決める力、自分で決めたことをやり遂げる力”──p70
が重要だと説きました。
当たり前のことに思えますが、この当たり前のことこそ忘れがちで、難しいことです。
生活の乱れは心を不安定にし、生活が整うことで心が安定に向かうという経験を、私は最近したばかりでした。
“自分で楽に生きられる場所を求めたからといって、後ろめたく思う必要はありませんよ。サボテンは水の中に生える必要はないし、蓮の花は空中では咲かない。シロクマがハワイより北極で生きるほうを選んだからといって、誰がシロクマを責めますか”──p162
ここを読んだとき、心がふっと軽くなるのを感じました。
「逃げる」といえば何だかネガティブな印象が持ちますが、ただ自分がちゃんと呼吸しやすい場所へ行くだけのこと。
そこに、後ろめたさを感じる必要なんてないのかもしれませんね。
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ひきこもり主婦の読書ノート 楠 悠未 @hanamochi_ifu
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