やらかし!?
一ノ瀬 夜月
嘘......だろ?
ある日の夜。締め切りに追われながら、俺は、発表用スライドを作成していた。本来なら、余裕を持って終わらせておくべきだが、何せ俺は、パソコンの操作が苦手だ。だから、直前まで手を付けずに放置してしまったのだ。
「まぁ、これも大学生あるあるだろ。」
そんなことを考えながら、文字を入力して、隙間を写真で埋める。だがしかし、余白が......埋まらない。どうしても、右下に不自然なスペースが出来てしまう。
文字の大きさや幅を調整すれば解決する問題だが、この時の俺は、写真を追加することで乗り切ろうとした。しかも、酒が入り、ハイになっていたから、かなり適当に写真を選んだ。
「やべっ、もう時間か」
余裕がなかったので、一応、申し訳程度にアニメーションを付け、見直しをせずに、スライドを提出した。その後、俺は、疲労がピークに達したため、そのまま机に突っ伏して眠り、迎えた発表当日ーーー
「次、〇〇さん、お願いします」
俺の順番になったので、所定位置に向かう。そして、教卓に置いてある、やや旧式のパソコンを操作しながら、発表を進める。
順調に進行していたが、最後の写真を表示するためにクリックをした瞬間、突如、昨日の記憶が蘇った。
どうせ、この写真は、最後にチラッと映すだけだから、何でも良いよな......と考えて、お気に入りのグラビアアイドルの写真を貼ってしまったのだ。
マズい、俺の性癖が晒される!皆、見ないでくれ。
もう、祈る位しか出来ることがない状況だったが、突然、スライドを映し出していたスクリーンの電源が切れたのだ。俺は、緊急事態に驚きつつも、発表を終わらせ、すぐに席へ戻った。
結果的には助かったが、スクリーンの電源は、偶然切れたのか?それとも、誰かが故意に切ったのか?真相は、闇の中である。
完
やらかし!? 一ノ瀬 夜月 @itinose-yozuki
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