在宅版トー横、ドン横、グリ下キッズ。日常の裂け目に、覗いた奈落の口。

いつもの作者さんの回想記とは、一味違う空気感です。

戦前は、薬局でヒロポン(メタンフェタミン)が買えた。
シンナー自体は、模型作成やスプレー缶でも使用される。
ブロンメジコンも、処方箋+薬局ハシゴで揃えられる。
そして身近なこれらにこそ、落とし穴は潜む。

居所不明児童生徒や、今回の子供たち。
トー横・毒親概念のなかった時代にも、運命に翻弄され、苦しめられる子供は存在しました。

作者さんが「酔った連中が、暴力や性暴力を振るってくる」という事態に巻き込まれず良かったです。
そして彼女たちは、基本善良だったからこそ、作者さんの良き話し相手になれたのでしょう。

穏やかな光が、転じて奈落の闇に。
闇の中でしか生きられない人は、いつの時代も一定数存在しますが。
これは小学生が体験するには、あまりに生々しく。
理屈のない教訓を刻みつけるような、そんな出来事だったと思います。

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