日常-13 事後という名のささやかなお話

これはおまけ-2です


〜〜〜


「ふぅ〜…いやぁ、疲れた疲れた〜…」

 

 革張りのソファーに倒れ込みだらだらけ。華蓮の家はやっぱり広い。フッカフカのレッドのカーペットもかなりヤバい。小並感。


「よく貸してくれたね〜……?」


 華蓮の家割と厳格寄りだった気がするんだけど。こんな夜に遊びにくるのOKしてくれるっけ。


「椎名が大会で優勝したんだ、って言ったら許可してくれたよ。だからお祝いお泊まり会はこの家でいい」


 やったぜ。しかも好きな料理デリバリーしていいとか神か。寿司頼もう寿司。


「……なんでウチにもあるAEDがここにもあるんやろなぁ…あ、ついでにラーメン頼んどいて」


 知らないよ。というか小間使いにするないっちゃん。


「私はあの店の鳥唐。柚子胡椒味」


 お前もか愛理。やるけど。


「………シーザーサラダとバゲット」


 そんなものあるの?あったわ。すごいなデリバリー。戦車とか銃器もも買えるんじゃないの…??


「まぁ私の金じゃないからいいけどさぁ……遠慮ってものを知らないの…?」


 ただし私は特上寿司を頼んだものとする。これ秘匿ハンドアウトね。秘密はバレなきゃ良かろうなのだ。


「華蓮のおとんとおかんの奢りやろ?」


 いやそうだけど。そうだけどさ。そんな当然みたいなノリはちょっと……


「あ、白米コメ忘れてた。椎名の寿司何個かもらうね」


 なんで寿司ってバレてんの。バレるの早くない…??ここは黙秘権を使わせてもらうからな……


「そんなことはどうでもいいんだけど」


 いやよくはないのよ。なんで愛理が私の頼んだもの把握してるかが重要なわけで──


「あの勝ち方はひどくない?」


 ──あそれはどうでもいいかな。華蓮の膨れっ面可愛いから。うん。ははは。だからちょっとソファーの上を覆わないでほしいな圧が!圧がすごいから!「ねぇ」ひっソファドンねぇ助けて愛理私の危機だよ色々と色々と!!!!


「バレシェリ仲ええわぁ……供給多いと助かる」


 ねぇいっちゃん拝んでないで助けて欲しいかな???


「ん〜…もぐ…お、この歌詞高いとこのやつだ。とりあえず全味試してみよう」


 愛理はせめてこっち見て???????相棒がなんかこう押し倒されてるから????あの私の分も残してそれ私好きなんだか「こっち見て」ひゃひっ


「決着とか色々言っといて 最後の最後 足掴んで二人で焼身自殺…………もうちょっとドラマチックにならなかったの」


 痛い。視線が痛い。ジト目やめてこわいこわいこわい。可愛いけど怖い。あっやめて顔やめてドアップぁぁぁぁぁぁぁ!!!


「あ、あは、あはははははは!!!!」


 "英雄バレッティーナ"が想像以上にガチカスタムされててああでもしないと勝てなかったのは本当なの……っていうか強さより楽しさに振られてるオファニエルでガチ戦闘向けなミラーラミに挑むこと自体がかなりキツイが!?


「だから 再戦 しよ?」


 差し出されたアーケードコントローラ──ねぇこれ見覚えしかない私の家の私のアケコンじゃんなんでここにあるの!?


「ふふ」


 ヒェッ


「じゃあ私は華蓮の勝ちに賭けるか」


 馬鹿野郎お前勝つぞお前私は。


「ウチは椎名!」


 ああいっちゃんは私を信じてくれてるんだね…じゃなくて。


「トトカルチョ始まってんじゃないよ」


 チップ代わりにビスケットを賭けるの???あとそれ私の分だけど???


「……あ、カルパッチョも頼んで」


 なんで。関係ないだろそれ!?響き似てるからか!?


「じゃあ……椎名シェリーバレッティーナと踊りましょう?」


 ………………黒髪リアルなのに金髪モード仮想世界の口調で話せるんだね華蓮。


「はぁ……いいよ。何するの?」


「魔女の天使狩りのスコアアタック。すぐにできるでしょ?」


 ……あー、華蓮バレっちを大人っぽくしたらそっくりのあのキャラの。


「もちろん。さっさと叩きのめして寿司を食うぜ!」


 勝利の大トロと中トロが私を待っている──!


「あ、インターホン鳴った。椎名、私トロ貰うね」


「ねえ愛理さんそれはちょっと横暴すぎるかな」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

固定ダメージで挽き殺します! @wakewakame193

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ