街灯の周りを飛ぶ虫、あるいは

面白かったです!
途中までドキドキしながら読み進めていたら最後の「光」が鮮やかでした。
明里ちゃんの周りをぐるぐると飛ぶちっぽけな虫だった主人公。けれどラストシーンで己の闇というか、暗くどろどろとした「計画」を捨てて帰っていく中で新しく見つけたのは別の光。それはまるで燃え尽きる寸前に巨星の重力に捕まって衛星になる小惑星のようでした。
明里ちゃんの光に目を焼かれていればきっと最後は火に入る夏の虫のごとく、焼けついて破滅していたのでしょうが、今日からは衛星なのかもしれない。同じ光の周りをぐるぐる
とする存在であっても。
そんなふうに思いながら明るい気持ちで読み終えられました。ありがとうございました!

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