男女の主人公を入れ替える発想がすごい/主人公の切ない想いに注目

実は、本作は男主人公版と言える存在で、その対になる女主人公版が先にあります。babibuさんの発想力に脱帽です。その女主人公版も同じタイトルです:
『煦煦たる皇子殿下の寵妃は絶佳の呪術師 ~失踪した初恋の人を探し求める美貌の方士は、偽りの花嫁を演じるうちに二度目の恋に落ちる~』

もちろん、単純に主人公の性を入れ替えただけでは成立しない点があり、それがbabibuさんの工夫のしどころ、かつ読者の見どころです。読者は女主人公版を思い出しながら、もしくは照らし合わせながら男主人公版を読むともっと楽しめるでしょう。

女主人公版の時もそうだったんですが、主人公の梅芳が長年の想い人柳師兄への想いを諦めきれないのに、偽装結婚相手の孝王殿下(武俊煕)に絆されつつあって迷いに迷って罪悪感も覚えて梅芳の気持ちは千々に乱れます。そういう気持ちがせめぎ合う様子がよく描写されていて胸がドキュンと射抜かれました。しかも武俊煕は梅芳にすごく優しくて人助けもするとてもいい人で好感が持てるキャラです。

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