時代の荒波に翻弄された3人の幼馴染の運命

この作品を読むと、まず第1次世界大戦前後の不穏なヨーロッパの雰囲気たっぷりの世界観に魅入られます。ヒロイン・エレノアは、そんな時代の荒波に運命を左右されつつも、傾きかけた婚家を切り盛りし、過去の栄光を忘れられない姑と幼い息子を守って、強く賢く生き抜いています。それだけでもエレノアに共感できるでしょう。
でも私が最も惹きつけられたのは、エレノアとヴィルヘルム、粗筋には登場しないもう1人の幼馴染の3人が愛に翻弄されるところです。そこには今流行りの溺愛とかスパダリとかは登場しません。むしろ切ない気持ちが溢れますが、重厚な世界観と相まってむしろそこがいいのです。
2024/10/10追記:完結を待ってこのレビューを更新します。結末はタグ通りですが、読者に余韻を残すようになっているのが特によかったです。

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