年下攻め × 年上受け
大学時代の失恋がトラウマになり恋に臆病になっている主人公の創平。
ピアノ調律師の職をえた創平は、天才ピアニストだけど問題を抱えた狂犬中学生の陽夏に出会います。そして、陽夏がらみのいくつものトラブルに対処するうち、創平と陽夏の距離は縮まっていって……
いいです!
すごく好きなシチュエーションのお話でした。
年上らしく振舞おうと頑張る受けが、奔放な年下に振り回されるすがた――最高に尊かったです(●´ω`●)
恋愛模様のドキドキ以外のストーリーもしっかり作りこまれて、読みごたえがありました。
伏線もあって、恋愛関係にいたる展開にもすごく納得できました。BL初心者でも楽しく読める良作だと思います。
BLのタグを見て読まず嫌いをするのはもったいない作品です。さすがに第11回角川ルビー小説大賞の最終選考に残った作品だけあって(カクヨム投稿に当たって少し設定変更あり)、それぞれのキャラが印象的で、読者の興味を引く展開が見事、作者様のピアノ愛と知識がすごくて脱帽しました。それにここはカクヨム。ちょっとキスシーンはありますが、その1話を除けば、猪突猛進で純粋な天才ピアニスト少年が頼りがいのある兄貴的存在にピュアラブする青春小説(作者の畔戸 ウサさんによればこの作品のテーマは青春バカ)なので、BLが苦手な方も読んで楽しめると思います。
この作品が気に入った方は、『Cフラットな番外編』も読めばCフラットな「青春バカ」世界をもっと楽しめます。
でも、この作品の魅力はそれだけにとどまりません。第11回角川ルビー小説大賞の最終選考に残ったけど、どうして受賞に至らなかったのか、作者自ら解説編で説明してくれています。コンテスト受賞を目指している方は、『Cフラ解説編』と『第11回ルビー文庫大賞で最終選考に残った件』がとても参考になるでしょう。