12話目 オカマ、ダンジョンを見つける

エレナとのお話を終えた娚は王国の北の森に

来ていた。


「さてと、オークはどこにいるのかしらね」


娚は気配を探りながら森を歩いていた

ただ思ったよりもオークの気配がなく

たまにゴブリンの気配を感じるくらいである


(少し捜索の方法を考えないとねこのままだと一匹も狩らないまま街に帰る羽目になるわね、アレを使ってみましょう)

そして娚は、魔力を集めて魔法を使った


【影分身】


そう唱えると四人の黒い人型が現れた


「さてと、どこか集中出来そうなところは」


娚は、人が来なそうな洞窟を見つけそこの岩の上であぐらをかき目を閉じた、その瞬間

影分身たちは一斉に洞窟から飛び出した


「これは、キツイわね」


娚は今、影分身を操り、その影分身一人一人が気配察知を発動しオークを探していた


(前より上手く動かせてるけど一人分

分身が増えたのと気配察知も使ってるから

前よりも操作が手こずってるわね)


今回は、分身一人一人に気配察知を使わせてるため、頭に入ってくる情報量が増えており

現在の娚は並列思考をフルに使い分身からの

気配察知のデータを整理するのに使っているため、現在は動けない状態になっていた


(ただ、探索は順調ね、オークの他にコボルドって言うのも見かけるようになったわね、けどみんな隠れてるわね、何かあるのかしら)


《鑑定》

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

《ステータス》

種族 オーク

《名前》なし

《性別》オス

《歳》 15

《レベル》20

《武術》

体術2

《魔術》

なし

《特殊》

怪力1

《エクストラ》

なし

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


(強さはそんなにね分身でも倒せそう)


そんなことを考えながら分身で目につく魔物を虐殺して行った、そんなことをしばらく

続けていると謎の洞穴を見つけた


(見た目は普通の洞窟ね、でも魔物たちは

これにびびっているようだし何かあるわね)


「行って見ましょうか」


洞窟を見つけた分身を消して少し余裕を作り残りの分身に魔石を洞窟に運ばせながら娚は洞窟へ走り出した


暫く森を走り、目的の場所へ着いた


「ここね」


目の前には不思議なオーラを放つ洞窟が鎮座

しており、見る人を誘い込むように大口を開けている


「不気味ね、さてどうしましょう」


普通ならこんな不気味な洞窟ギルドに報告

するのがいいのだろうけど、もしこれが自分に恩恵をもたらす物だったら勿体無いわね


「あっそうだ、鑑定があったわね」


結果が出るかはわからないがとりあえずは

見てから決めましょ


《鑑定》


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

創作ダンジョン 作 悪魔


自然に発生したダンジョンとは違い何者かが

目的のため、作り出したダンジョン、普通の

ダンジョンと違いクリアすると消えてしまう

制作の目的は様々で感情、魂、死体など

色々な物を集めるために作られる

獲物を誘うため、普通のダンジョンと同じように階層ごとにダンジョンが作った宝が設置されている


材料 ダンジョンの種 魔力

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「いいじゃない♪」


当然リスクは高そうだが、リターンにも期待できそうだし何より最悪逃げ切る自信もあるし


「そうと決まれば行きましょう」


娚は魔石を袋に詰めると分身を全て消して

ゆっくりと洞窟へと入って行った


中は幅五メートル、逆さが十メートルと

外から見た外見とは全くの別物になっていた


「中は、結構広いのね」


娚は、通路を歩きながら外との違いを調べていた、特に空間魔法の転移は使えるのかで

安全性に大きな違いが出るので使えることに安堵した


「さてと、今の所はただの通路だけど、

そろそろ何かありそうね」


そのセリフの数分後、通路の奥で気配を察知

した


「「「ぎゃぎゃ」」」


何故か見覚えのある構図で、三匹のゴブリンが現れた


《鑑定》

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

《ステータス》

種族 ボブゴブリン×3

《名前》なし

《性別》オス

《歳》0

《レベル》15


《武術》

棍術3

体術1


《魔術》

なし


《特殊》

怪力2

恐怖耐性1


《エクストラ》

なし

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


そこには身長160㎝ほどになったゴブリンが

こちらを見て笑っていた


「これは、アレかしらこの三匹でまた

森での実験を再現すればいいのかしら?」


そうね、ダンジョンの魔物と外の魔物

どんなふうに違うか

それは、もともと試そうと思ったし丁度いいわね、さてと


「ギャ!」

まず右側のゴブリンの首をナイフで掻っ切り


「ギャ、グギャ」

左のゴブリンは素手で喉仏を抉り取り


そして最後に残ったゴブリンへ優しく笑いかけた


「あまり時間がないから、手早く終わらすわ

短い時間だけどよろしくゴブリンくん♪」


その時、ゴブリンの脳内には覚えているはずのない前世の記憶が脳に流れた、そして

悟った今回もろくな死に方はしないだろうと


「ふぅー、ボブゴブリンに進化の影響かしらすごい生命力ね」


約10分に及ぶ実験の末、ボブゴブリンの異常な生命力がわかった、まず最初に倒した二匹は瀕死になってから5分間ひたすら痙攣を繰り返し、最後のゴブリンは心臓を刺しても3分は

生命活動を続けていた


「これは、すごいわね魔物と戦う時はしっかり、トドメを刺さないとこっちが危ないわね」


それから、ダンジョンの魔物は倒されると

体は消滅し魔石だけを落としていた


「これはいいわね、いちいち死体を処理

しなくていいのはとっても楽ね」


前世の暗殺後の、後始末の大変さを思い出しながら娚は呟いた


「さてと、改めてダンジョン探索を始めようかしら、ワクワクしてきたわ」


娚はテンションを上げて奥へ進んで行った

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2024年12月13日 06:00
2024年12月13日 06:00

訳ありオカマが行く異世界冒険譚 @RenrenMAX

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