面白い物語です。
でもその前にまず作者の紹介から始めしょうか。はい、始めます。
成野淳司さんこと〝令和のドタンバさん〟がこの物語の作者です。
幼少期より数多の小さなピンチをくぐり抜けドタンバをかわし続けた彼。
〝辛酸なめのエキスパート〟なのは、彼のエッセイが記すところです。これも後で読みましょう。
そんな彼だから、ですかね。
戯けた文が巧みなのです。
自身の境遇から醸し出されるリアルがそこにあります。
常人では伺いしれない機微があるのです。
きっと彼は特殊な訓練を受けています。
本作もその例に漏れず真っ当に笑えます。
人生を放棄すると決めた男が巡り巡ってコンビニのトイレに行き着きます。
漏れそうだったからです。大きい方が。
運命は、そこからさらに一転します。
人の尊厳とバイトの清掃範囲。
それぞれの守るべきものをかけて悪に挑む者たち。
その結末は主人公たちの未来をも変えてゆく。
ざっとこんな話です。
読むうちに主人公を応援したくなる。
最後は拍手をおくりたくなる。
そんな物語読みたくないですか?
ここにあるのです。
読むしかないです。
まず、紹介文を熟読していただきたい。…死のうとしている、ある人物の話。…排泄に関する表現?もしかしてタイトルってそういう意味?…え、強盗とやり合うの?ナニゴト?この小説、何が起きてるの?…アナタはもう、この小説への興味でいっぱいのはずだ、読み始める直前の当レビュー筆者のように。
彼は真剣に悩み、苦しみ、闘った。その果てに希望があるのかもわからないままに。…それなのに、謎の笑いが腹筋を責め立てる。彼はこんなにも真剣なのに。しかし、フィクションと違って、現実はこういうもの、かもしれない。生きていくのはキレイゴトではないのだ。彼はそれを、身を持って教えてくれた…のかもしれない?