とにかく前へ進むんだ。一寸先は闇だけど。


 みんながこぞってアピールする「前」に関する痛快な短編。

 そんなに良い場所なのか「前」ってところは。



 小気味よいテンポで繰り出すテーマは、言葉のマジック。

 何となくいい感じに聞こえるアレやコレに関して、聡しい二人がせっついてくる。

 何の目標も気概もなく、進ませたり、走らせたり、捨てさせたり、生まれ変わらせたりする前に、
 今立っている場所をきちんと見ようぜと言われてぎくりとした自分。

 最後には綺麗に収まってしまうところもまた、別種のマジックなのか。